【パンダ下のワーカー めちゃ堅い】

日本初のJ-Chess決戦「タクリン対ハタル」

さて、J-Chess観戦記の第3回。
これまでの流れを見ていない人は第1回と第2回をチェックしてからはじめよう。


[第4図からの指し手]
▲53ディア(桂)変身 △同フォックス(銀)右 ▲45ディア △44フォックス
(第5図)

 朝日新聞を読んでこのサイトにきた方、少しはJ-Chessの記号に慣れてきたかな。それと、将棋そのものにまだなじんでいない人には、棋譜の記号に関しても説明しておかないといけないので、キラット校長ピカリス解説委員に登場してもらう前に、少しパラパのほうから説明しておくね。

 相手のお城(陣地)にコマが入ったとき、キングとクイーン、それからパンダ(金)以外のコマは、裏返しになって別キャラに変身する権利を持つ。この裏返しにすることを、将棋では「成る」というんだけど、J-Chessでは「変身(へんしん)」と呼ぶのがルール。
 そして変身したコマは、その頭に「スーパー」をつけて呼ぶんだ。フォックスが変身したらスーパー・フォックス、ディアが変身したらスーパー・ディアというふうに。で、棋譜上ではスーパーの頭文字をとって「S」をくっつけるので覚えておいてね。

 それから「同」は、将棋と同じ、前の指し手と同じ位置にコマを動かすこと。だから、「▲53ディア変身 △同フォックス右」とあったら、フォックスを53に動かすこと。当然、そこにあったコマはゲットして自分のものにできる。将棋ではこれを「持ち駒」というけど、J-Chessでは「持ちキャラ」。コマはあくまでキャラクターなんだよね。
 なお、「右」というのは、指し手からみて右側にあるほうのコマを動かすという意味。慣れないと左右逆に受け取っちゃうかもしれないけど、気をつけてね。
 それじゃ、キラット校長ピカリス解説委員といっしょにはじめましょう。

――改めてふれておきますと、このJ-Chess決戦は一手3秒以内の超早指し。しかも、この対局が行なわれる直前に、初めてJ-Chessの動物キャラコマを対局者は見せられているわけですね。おまけに将棋では絶対に現れない局面からのスタート。視覚的な混乱も含めて、ハタル長老もタクリンも、かなりの戸惑いがあったと思いますけど。
キラット「ええ。でも、さすがに将棋で鍛えているからでしょうね。J-CHESSでもふたりは難なく対応しています。将棋の棋士の中には、チェスを覚えた瞬間に、教えた人より既に強くなっていたという人もいるので、コマの感覚の共通性というのはおそろしいものです」
――なるほどー。ところで、わずか15手目で早速戦いがはじまりましたね。さすがJ-Chess。
キラット「長老の△53同フォックス右は、基本どおりの取り方ですね。一方タクリンは、ディアを犠牲にして、もう一枚の右ディアを活かす作戦にでました」
――かなりの強攻って感じですけど、だいじょうぶ?
キラット「確かにこれで成果を上げられなければ、取られたディアがかわいそうな気がしますけれど、勝算あっての突撃でしょうね」
ピカリス「53での決戦から、おたがいにコマを持ちはじめましたけど、持ちキャラ(持ち駒)というのは、チェスと違って、いつでも好きな所へ使えますので非常に価値が高いのです」
――コマ損をしてでも、自由の利く持ちキャラを手元にキープしておこうと。
ピカリス「そうですね。まずはワーカーとディアの交換。本来なら、ハタル長老がだいぶ得なのですが、このパターンモードに限っては、53の地点は急所ですから、今回の取引はほとんど五分です」

[第5図からの指し手]
▲54ワーカー(歩) △45フォックス(第6図)


キラット「さて、▲54ワーカーから△45フォックスで、先手のタクリンとしては、ディア(桂)二枚損になりましたが、いまピカリスも解説してくれたように、タクリンは53の強襲に勝負をかけているのです。なにしろこの地点は、王様のすぐ上なので迫力があります
ピカリス「校長のおっしゃるとおり、タクリンは53の地点にしぼってピンポイント攻撃をかけています。しかし、ハタル長老も表情に変化は全く見られず泰然としております」

――さすがに貫禄ですね。
ピカリス「ええ、なにしろヌフヌフの森の重鎮ですから。とはいっても、盤面は風雲急。タクリンの攻撃が成功するのか、長老の堂々とした勇敢な受け――私はこれを『ディア・ハンター作戦』と命名しますが――これが功を奏すか、見所です」

――第6図の△45フォックスは、ディアを取った上にチータ(角)取りになっていますね。
キラット「そうですね。初心のうちは、こうした手をウッカリして、チータのタダ取りなどを食ってしまうものですが」
――そうそう。チータが走っていく斜めのルート(角道)って、慣れないうちは見づらかったりして。
キラット「でも、J-Chessボードをダウンロードした人はおわかりのように、カラー版のJ-Chessでは、マス目が色分けされているので、チータの走っていくルートがとてもわかりやすくなっています」
――そういう配慮が、とっても細かいですよね。誰が考えたんだろう、こんな親切なこと。あ、ぼくだ、ははは。
キラット「自慢しないように。でも、ダウンロード版のコマには、進める方向がコマじたいに書かれていて初心者にとっても便利。この提案をしたのは誰かな〜」
――校長先生で〜す。
ピカリス「そこのふたり、自慢のしあいっこをしないように」

――で、このあとどうするんでしょうか、タクリンは?
キラット「パラパならどう指しますか?」
――う〜ん、とりあえずチータ取りだからなあ。えいっ、▲53ワーカー変身だっ!
キラット「ほう、そうきましたか。あとの読みは?」
――△同フォックス、▲22チータ変身、△同パンダ(金)、▲53イーグル(飛)変身、△同イーグル、▲31チータで、イーグル&パンダの両取りだあああ! どんなもんです、校長先生。
 え、なんで笑ってるの?


 実際にはタクリンはどう指したのかな?

 第4回もおたのしみに!

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