2012年3月3日土曜日

量子コンピューターの実用化を急げ

2/23「コンピューターはなぜ小型化していくのか」という記事の中で、根本香絵・理学博士の「量子コンピューターはなぜ注目されているのか ようこそ量子」という著書にふれた。

量子コンピューターとは、理論的にいって、現行のスパコンの「ケタはずれ」倍の情報処理能力を持つだけでなく「ケタはずれ」倍のセキュリティ・システムを持つ。

NASAが中国発のサイバー攻撃の侵入を2011年だけで13回許し、情報を盗み出されただけでなく、一部の機能が自由にコントロール可能な状態に置かれていたという米下院科学宇宙技術委員会での証言は衝撃的だ。

たぶん、いま中国に対して、たとえば対北朝鮮や対イランのような強硬なアピールをとったら、アメリカといえどもやられる、ということだ。

すでにはじまったサイバー戦争の、現時点での圧倒的勝者は中国である。

だから量子コンピューターの開発が急がれる。




2006年に出版された根本氏の著書にあった図では、実用化のめどは2025年以降になっていたが、昨年の日経新聞によれば、国立情報学研究所が、量子コンピューターの試作機を5年以内につくるという見通しを発表した。2016~2017年ということになる。

すでに量子コンピューターのベースとなる、量子暗号を使った量子鍵配送は着々と実用化を目指した研究が進み、短距離でのネットワークは実現している。

観察者の存在が量子の状態を歪めるという不確定性原理を利用して、量子状態が歪むことによるハッカーの発見もただちにできる。



現行の、「ケタ数の大きな合成数の素因数分解の見つけにくさ」に頼ったRSA暗号は、コンピューターが発達すればするほど解読しやすくなるという決定的な弱点を持っている。

この暗号システムの崩壊は、もうすぐそこまできている、とさえ言われる。

これはあくまで、しろうとの推測だが、DDos攻撃によるサーバーダウンなどは、ハッカーのあんちゃんが連携すれば可能だろうが、NASAへのシステム侵入と情報の盗み出し&コントロールは、その背後にスパコンの存在がないと無理ではないか。

つまり国家的なバックアップ態勢がそこにある、ということだ。



蓮舫のあの歴史に残るすばらしい迷言によって、日本のコンピューター研究技術が大きく停滞しそうになったときには、中国は大いに喜んだろう。

だが、もはやスパコンの一等賞を競うだけでは国家や企業を守れない時代になっている。

中国に世界を乗っ取らせないこと――量子コンピューター実用化の最大の目的は、いま、そこにある。

その開発研究予算を削るな。ほかの予算を削ってでも増やせ。

ということだ。



民主党政権がその重要性を理解できるとは、とうてい思えないが。