2012年1月8日日曜日

いろんな外国語⑥タイ語―文字に馴染めるか否かが「やる気」の分かれ目となる言語

ハングル文字がすばらしく機能的に、そしてビジュアル的に簡素にできているのに較べて、タイ文字はきわめてとっつきにくい。

アラビア文字のほうが一見「みみずが這ったような、なにがなんだかわからん」感が強そうだが、タイ文字の最大の弱点は、子音の種類の多さに伴う、文字そのものの多さと、それから母音符号の多さだろう。

だから最初は、タイ文字を覚えるのをやめて、耳からだけ学ぼうとした。

だが、現地にいるわけでもない初心者にとっては、やはりこれではうまくいかない。





ところで、英語のように超メジャーではない言語の学習には、よい学習書との出会いがあるかないかが、鍵となる。

ぼくをこれまでタイ語から遠ざけていたものは、タイ語そのものではなく、タイ文字に関する適切な学習書がなかったからだ。



大判で、模範的な文字をなぞるスペースもじゅうぶんあって、しかもCD付きという本もある。だが、子音字だけで42もある「コーカイ表」をいきなり持ち出して、さあタイ文字を覚えましょうといったって無理。

さらに、これはアラビア語の学習書にも概して言えることなのだが、ほとんどのタイ語の学習書は、タイ文字のサイズが小さすぎる。

活字の大きさは「級数」という単位で表わされるが、ローマ字と同じような級数でタイ文字やアラビア文字を印刷されたって、初学者にはついていけっこない。字の種類の違いが読み取れないのだ。

そういう配慮のない初級者向け学習書が多すぎる。



前述のように、たまにビッグサイズの練習帳があったかと思うと、覚える側の苦労などかまわず、機械的に42子音の書き取りをやらせようとする。

これではタイ語の間口は狭いままだ。



しかし、タイ文字の入門書としては、これ以上親切なものはない、という本を見つけた。

「めこん」という出版社から出ている「マリンのタイ語生活<1>挫折しないタイ文字レッスン」で、著者はタイ人と日本人の両親を持つ中島マリンさん。



CD付きではないにもかかわらず、この本がすばらしいのはつぎの3点。

①大判で、ほぼ全ページ・オールカラー!で見やすく、楽しい。

②レッスンが「さかな」をタイ文字で書くところからはじまるように、まず最初に基本の子音字は、日本語の単語をタイ文字で書いておぼえる。このメソッドがすばらしい。

③その後、日本語の50音にはない子音を覚えさせるのだが、42子音中、よく使うのは21だけ、ということで、まずその21字だけを覚える絞り込みがいい。


逆に、タイ語にはない日本の50音も、早々に知ることができる。

たとえばタイ語には「sh」音がない。だから「し」がない。

「ts」音もない。だから「つ」がない。

したがって、「よしむら たつや」は「よ×むら た×や」しかタイ文字で表わせず、「し」と「つ」は近似音で代用するしかなくなる。


こんなふうに、密接に日本語との関係を教えてくれながら、オールカラーで勉強できるため、あっというまにタイ文字になじんでしまった。

お値段は2500円だが、これからタイ語をやろうという人にとっては安い投資だと思う。