2011年11月16日水曜日

編集者はつらいよ

こうやって大きな吹きだまりの脇を迂回するようにして、トレースは西穂山荘に向けてつづいているのだが、もしもトレースがなかったら、この部分の正しいルートを読み取れることができたかといえば、正直、不安に襲われただろう。

写真は同行した担当編集者の原さんだが、その視線が向けられた先は、なだらかな沢で、誤って踏み込んでいったら、戻ってくるのはきわめて困難である。

こんなところで、作家と心中なんてしたくないよ、というセリフが全身からにじみ出ている之図、である(笑)。






先にUPしたピーカンに晴れ上がった上天気とは別の日で、同じブログ記事に載せた、ロープウェイを降りたとたんになにも見えない霧の中だったときとも別の日なのだが、霧は徐々に濃さを増していた。背景の空を見れば明らかだろう。



ぼくが山トレにはげみ出すのは、この4年後で、最近では、はじめて通る山道に入ったときの習慣になってしまったが、道迷い遭難を事前に防ぐひとつのコツは、前方に見える分岐のどちらを進んだかを覚えるだけでなく、斜め後方から合流してくるルートを、つねに気にしておくことだと学んだ。

それは引き返すときには、前方の分岐になるからだ。ところが前ばかり見ていると、別の方向から合流してきたルートを見落とし、いざ反対側から戻ってきたとき、「あれ、どっちだっけ」と迷うことになる。

あたりまえのようでいて、先を急いでいるときなどは、案外見落としがちな留意点だ。



山岳遭難で最も大きなパーセンテージを占めるのは、じつは転落や滑落ではなく、道迷いなのだ。