2011年10月18日火曜日

▲「担当編集者から」VOL.46『十三匹の蟹』@集英社文庫

集英社文庫書き下ろし「十三匹の蟹」が10月20日(木)、全国書店で発売になります。



今回は、“平家蟹”がキーワード! 恐怖ミステリーです。

平家蟹は食用にされないため、実際に見たことのある方は、少ないかもしれません。

滅亡した平家武士の恨みの念が甲羅に現れたといわれるその姿をカバーに入れましたので、是非、書店で手に取ってみて下さい。




舞台は神戸。大企業「清和重工業」の源田会長が猟奇的な殺人事件の犠牲者になります。その死体は、怨みの深さを物語るように残酷な処置を施されていました。

折しも、社内は社長交代の人事が行われたばかり。その人事をめぐり、重役陣の抗争が激しくなっていました。軍需産業に大きな力をもつ会長の殺害は、その死体の異様さと合わせて、政財界を震撼させます。

刑事たちの目は、源平合戦に喩えられる社内の抗争へ向けられます。だが、犯人が“十三匹の蟹”と名乗ったことに手掛かりを見いだすことができません。



その頃、栄光大学日本史研究会の杏美たちメンバーは、新入部員の朝野光樹の案内で、神戸にフィールドワークに出かけます。そこで、この猟奇事件の捜査担当で光樹の父・朝野刑事に協力を求められることになるのですが……。

否応なしに事件に巻き込まれていく杏美に、次なる殺人の報が――。



会長一族・源田家、対抗する重役達・平岡派、研究会の新入部員など、特徴的なキャラクターの登場人物たちの本音と意想外の動きに、二転三転するストーリー。十三匹の蟹と名乗り、連続殺人犯となったのは、誰なのか? その真相が明かされた時、殺人を犯すしかないと思いつめた人物の深い哀しみが胸に迫ります。

神戸の歴史や文化、観光の話題も満載で、エンタテインメントとしても読み応え充分の恐怖ミステリー作品となりました。ご期待下さい!

(集英社文庫 伊藤木綿子)