2011年10月2日日曜日

大衆演劇の灯を消さないで


両国国技館と隅田川をはさんで2㎞ほど北方の対岸に位置するのが浅草。そして浅草には浅草大勝館(たいしょうかん)という大衆演劇の芝居小屋がある。

……いや、「あった」と過去形で書かねばばらないところがさびしい。

彗星のごとく現れた「衝撃の美女」、橘大五郎(たちばな・だいごろう)が出る「橘良二一座」の公演を浅草大勝館に見に行ったのは2003年のことだった。彼が、北野武監督の『座頭市』に出た直後ぐらいだった。

なにがすごいといって、花魁に扮した、このときの「彼」の年齢である。






なんと、16歳!



おもわずレイアウト無視の特大サイズでお届けしましたけどね。

おそるべし、この妖艶な貫禄!



この浅草大勝館は、大衆演劇の香りを21世紀に伝える小屋として、貴重な存在だった。




こうやって、幕間には劇団員自らがビデオを売りにくる。彼女は、たしか三條雪江だったと記憶している。8年も前のことなので、間違っていたらごめんなさい。

その後ろの袴姿が、雷おこしを売っている座長の橘良二である。座長自ら売り子さんなのだ。

そして公演が終わると――


こうやって出口まで一座の団員が並んでお客様をお見送り。ファンの人に囲まれて一部しか見えないけど、右側の大提灯の横に立っているのが橘大五郎だ。

もうちょっと近づいて撮ったのがこの写真。



こういう大衆演劇の灯は消してほしくない。



でも、ピロリ~ンと音の出る携帯カメラという無粋な代物が、このように大らかで自由な雰囲気を楽しめた大衆演劇でも規制の対象となり、撮影自由の芝居小屋は激減した。

吉本のなんば花月だって、名物のイカ焼きを場内で買って食べながら、ときおりカメラで芸人さんをぱちりという光景も、数年前に消えた。

撮影の規制はしょうがないが、食べ物の客席販売すらなくなるなんて、なんだかちょっとキレイすぎて、客席が爆笑しても、いまひとつ昔の雰囲気とは違うのだった。



消えゆく娯楽の伝統文化……。