2011年9月27日火曜日

アンコ~椿は~ あ、あん、あ、あん、あ、あんあん

7月、8月は、けっこうアラビア語にどっぷり浸かって勉強した。

右から左に書く、あの文字が、少しばかり読めるようになったのは進歩かな。

ただ「ファトハ」「カスラ」「ダンマ」といった「シャクル=補助記号」なしには、まだ正しい母音で発音できないので、初心者中の初心者だ。




アラビア語の短母音は「ア・イ・ウ」の三種類しかない。

え? たったの三種類? 楽勝~と思うのだが、三種類しかないから、この母音部分の表記は原則省略され、ほとんど子音部分だけで、あのクネクネ文字は構成されている。

しかし、それではぼくたち外国人にとってあまりに難解なので、ここはアの母音で読みますよ、とか、イですよ、、ウですよ、と教えるのが、文字の上または下に付くシャクルで、アを表わす記号がファトハ、イがカスラ、ウがダンマとなる。



ただし、短母音は三つしかないといっても、ナレーターによって「ア」や「イ」が「エ」に聞こえたり、「ウ」が「オ」に聞こえたりする。

でも、このあいまい性がなければ、短母音三つでアラブ世界から見た諸外国の固有名詞は表記できないのである。



たとえば、ぼくの名前「ヨシムラ タツヤ」のうち、「ヨ」はアラビア語に存在しない母音なので「ウ段」で代用し、「ユシムラ タツヤ」になる。

それで読んでみると、「ユシムラ」でも「ヨシムラ」と自動的に耳が修正して受け止めてくれるから不思議である。最初から読み方がわかってると、多少違った発音でも通じるという道理だ。

「ヨシムラ タツヤ」は一字だけが存在しないのでまだいいほうだけど、「大野友子」さんという人だと、すべて「オ段」だから、アラビア語表記では「ウウヌ ツムク」になり、その表記を見てアラビア人に「オオノ トモコ」と発音してもらうのは、至難の業。でも、あいまいな発音をすれば、なんとか「らしく」聞こえる……いやあ、さすがにこれは無理か。



フランス語の特徴が「r音」と鼻母音にあるように、アラビア語にも独特の音声がある。それが「アイン」という文字で表わされる「ア」の音だ。

アの音が特殊だなんて、ちょっと信じられないかもしれない。

アラビア語で「こんにちは」は「アッサラーム アライクム」という。直訳すれば、「あなたたちの上に平安あれ」となる。

一見、発音は簡単そうだが、前半「アッサラーム」の「ア」と、後半「アライクム」の「ア」は、まったく別物だ。

前半の「ア」は「アリフ」という文字で表わされ、普通の「ア」。しかし後半の「ア」は「アイン」という文字で表わされ、アラビア語をかじったことのない人には、想像もつかない音声だ。

それっぽく発音できたら、フランス語の「r」をネイティヴ風に発音できたのと同じぐらい、本場の人にほめられるだろう。

といっても、この挨拶フレーズでは、ふたつの「ア」の差異は、それほど大げさに区別をつけて発音されるようでもなさそうだが。



「アイン」の「ア」は、どんな「ア」かといえば、都はるみの「アンコ椿は恋の花」で、「アンコ~」と、うなるときの「ア」、もしくは「ア、アン、ア、アン、ア、アンアン」とこぶしを回すときの「ア」といえば想像がつくだろうか。若者にこのたとえはムリ? そうですね。

都はるみさんなら、「アイン」の発音に一発でOKが出ると思う。