2011年7月31日日曜日

生なでしこ(帰宅後加筆)


神戸ユニバー記念競技場へ、なでしこリーグ「INAC神戸レオネッサ VS 岡山湯郷Belle」を見に行った。

この競技場のキャパは45000人だが、最初からこういう告知をされていた。

当日、無料開催となっております。会場内へ30000人以上は入場出来ませんので、あらかじめご了承くださいませ》




その前の週に行なわれたINACの、いわば凱旋試合は有料であったにもかかわらず17812人の観客を集めたから、無料試合のきょうは、どれくらいくるのかわからない。

開門時刻は午前10時。試合開始は午後3時。炎天下で早めに行ってもしんどいし、かといって、わざわざ神戸までいって満員札止めでは、あまりにもバカバカしいということで、時間のヨミがむずかしかった。

けっきょくスタジアム到着は12時半すぎ。



その時点では、アウェイのバックスタンド側はガラガラだったけど、ホームチーム側のメインスタンドは、はやくもかなり埋まっていた。

ただしそれは、みんながINAC目当てだったということではなく、バックスタンドには屋根がなく、炎天下の日差しをもろに受けるからだった。気温は30℃を超えていたが、直射日光下では40℃近くになっていただろう。

メインスタンドの日陰に席を確保すると、妻に残ってもらって、ぼくはいったん競技場を出て、また強い日差しの中を駅まで、汗たらたら状態で戻った。氷がいるな、と思ったので、コンビニへ買いに行ったのだ。

ちなみに、いったん外に出るときに、入場時にもらったチラシの提示が必要となるという仕組み。3万人を超えて打ち止めにしたときを想定した処置だろう。



駅そばのローソンは観客でごった返していた。レジを一斉に開放するが、混雑する店内を仕切る店員がいないので、列に並ばずに買おうとするおっさんが出る。それを「こらー、並べ!」と怒鳴るおっさんが出る。

怒れるおっさんは店員にもその矛先を向け「ちゃんと整理せんかい! 仕切れ、こらあ!」と怒鳴る。このあたりは関西や、阪神ファンのノリや(笑)。

そんなこんなで、ようやく列が進行してレジ前に到達したとき、店員がぼくのカゴの商品を精算しはじめようとして、ふと手を止めた。

どうしたんだろうと思ったら「あの、こちらのお客様と、どちらが先で?」

ふと横を見ると、さっき怒鳴られていた割り込みおっさんが、またいつのまにか並ばずに、ぼくの横に忽然と現れていたのであった。懲りないやっちゃな~。

1時半ごろスタンドに戻って、よく冷えた缶ビールを開ける。といっても我々の場合はアルコール0.00%のキリンフリーである。



さて、試合開始のころまでには日差し強烈のバックスタンド側もかなり埋まっていた。男子の試合と大きく異なるのは、応援チームのユニフォーム姿での観戦が、ほとんどないこと。なでしこジャパンのレプリカを着た女の子も、まったく見あたらない。みんな私服。

いよいよ選手が登場して練習開始。場内アナウンスで、ひとりずつ選手紹介がはじまる。とにかく宮間の名前がコールされたときの拍手のすごいこと。

そのあとも、声援は当然、澤コールがダントツだろうと思っていたら、なんとなんと、宮間あや大先生のコールが一番なのである。「みやま~! みやま~!」。

しかし、これにはぼくだけでなく、観客のほとんどが意外に思ったのか、「みやま~」の声が響いたあと、どっと場内がどよめく。



試合は、なでしこリーグ7戦目にして、GK海堀が初失点するも、チソヨンの2ゴールなどで、終わってみれば3-1で、澤穂希率いるINAC神戸の勝ち。

負けたけど、宮間のパスの正確さはほれぼれするものがあった。点には結びつかなかったけど、ほんとにほしいところへボールが届けられるのだ。うまいねえ。

それからW杯では不完全燃焼に終わった大野の高速ドリブル突破はすごかった。川澄の足の速さ、運動能力の高さも目立っていた。とんねるずの「食わず嫌い王決定戦」に出ていたときとは別人のよう。あたりまえか。

あの放送での川澄さんの可愛さは超目立ってましたね。それと、リアクションのよさに憲武がしきりに感心していたのが印象的。彼女のタレント性はテレビ関係者が、大いに目をつけているだろう。

澤さんは束ねた長髪が宙に躍るので、遠くから見ていても、ひと目でその存在がわかるのであった。

それからぼくは宮間大明神が率いる湯郷の中で、FWの松岡実希に注目した。ちょっと名前、覚えておいてください。



ところで、ぼくみたいなミーハーレベルのスポーツファンにとっては、女子の種目のほうが圧倒的に面白いと感じる競技がけっこうある。バレーボールがその代表例だ。

ビジュアル的にどうこうではなく、男子にはない繊細さが、見ていて面白いのだ。ぼくは高校時代バレーボール部だったけど、一観客として見るには、男子バレーより女子バレーなんだよなあ。

テニスもそう。それからマラソン、フィギュアスケートも同じ。



三宮の街を歩いていたら、女子ソフトのポスターが張ってあったけど、女子ソフトが金メダル後いまひとつ盛り上がらなかったのは、やっぱり競技そのものが(たいへん失礼ながら)野球に較べて見映えがしないからだと思われる。

しかし、なでしこジャパンは「女子サッカーだって、見て面白いんだ」ということを教えてくれた。とくにINACのようなトップチームでの細かいパスのつなぎなんかは、ジーコ・ジャパン時代のへなちょろサッカーより、よっぽど面白い。

ゴール目指して突進する大野や川澄の姿を見ていると、ジーコ・ジャパンのころの男子の「私はシュートはこわくて打てません、あなたがどうぞ。いえ、あなたこそ、お先に」という、ゴール前のイライラするようなFWらしからぬ姿を見せてくれた某選手や某選手を、つい思い出さずにはいられなかった。



試合途中に、女子サッカー史上はじめての国内試合で観客2万人を突破する数字が電光掲示板に発表され、オーッというどよめきと拍手がわき起こった。

一過性のブームに終わるかどうか、選手たちも、これまでとは違った意味での危機感は持っているだろう。


灼熱の太陽でTVカメラが過熱するのを防ぐためのムシロ。猛暑期の昼間に試合をやらない男子では、こうした光景は見られない。

女子はお金がないので、ナイターはできないのだそうだ。夏場のナイターができるような時代がくれば、なでしこブームも本物だ。