2011年6月9日木曜日

正解と解説 第11問

目が炎症になる前に、この原稿は書き終えていたので、そのままUPします。いよいよラスト三分の一。本日は第11問。

【問題】

⑪軽井沢にある某社の作家カンヅメ用施設に宿泊したことが何度かある。リビングルームを隔てて左右両翼に部屋があり、同時にふたりの作家の缶詰が可能。しかも左右のウイングは離れているため、作家同士が顔を合わせることもなく、たがいの担当編集者がきて打合せをしても、その声が気にならないという、まさにカンヅメに特化した最高の環境だった。そこで執筆した作品は?

f) ピタゴラスの時刻表
g) 時の森殺人事件
h) 旧軽井沢R邸の殺人
i) 霧積温泉殺人事件
j) 「初恋の湯」殺人事件



【解説】

選択肢に挙げた作品すべてが軽井沢に結びつくので、このエピソードを知らない読者は迷ったかも。

『ピタゴラスの時刻表』は、なんといっても主役の名前が軽井沢純子だ。だからコレだ!と思われた方も多いだろう。

『時の森殺人事件』の「時の杜地区」は架空の存在だが、あそこに出てくる「姫神湖」は信州の湖をモデルにした。が、軽井沢方面ではない。しかし「時の森」という言葉や、オリジナル版および中公文庫版のカバーイメージから軽井沢をイメージするのも自然だ。

氷室想介の『旧軽井沢R邸の殺人』は、もろタイトルに軽井沢。

『霧積温泉殺人事件』は最寄りの街が軽井沢。

『「初恋の湯」殺人事件』は舞台は小諸だが、東京から小諸へいくには長野新幹線で軽井沢まで行き、そこから小諸までは、しなの鉄道に乗り換える。

さあ、どの軽井沢が正解かというと……。



カンヅメになったこの施設は、中央公論社の軽井沢南原山荘である。

『時の森殺人事件』のプロットがここで誕生したことは、中公文庫版の解説で、当時の担当者・新名新氏(現・角川書店常務)が書いている。

そのとき別棟でカンヅメになっていたのが「窯変源氏物語」を執筆中の橋本治氏だった。



【正解】  g) 時の森殺人事件
正解率59% 難易度10位

★★★★★★
【ここまでの正解リスト】
①イまたはア ②コ ③ソ ④テ ⑤ネ・ナ(逆順不可)
⑥ヘ ⑦ム・モ ⑧ヤ・ラ ⑨ン ⑩a・d
⑪g


正解率は59%だが、成績上位者の多くは正解している。

総合点数の高かった人と、残念ながら低かった人との差がどこでついたかというと、じつは④⑤⑪⑫の四題なのだ。

総合で低い点数だった方は、おおむねこの四題が全滅か、それに近い状況だった。そのため、上位陣が⑦~⑨の「箱根の山」でつぎつぎに転倒しても、それに追いつくことができなかった、という傾向がみられる。

だが⑪を間違えた人の中にも、入賞者はいらっしゃる。終盤で取りこぼしをしても、トータルでちゃんと助かっている人は助かっているし、それが致命傷になった方もおられる。

さあ、残り4題です。