2011年5月24日火曜日

正解と解説 第4問

「吉村達也検定」正解の発表と解説、第4問です。

【問題】

④「Kの悲劇」は、吉村達也が唯一ペンネーム杠葉啓(ゆずりは・けい)で出した作品で、処女作でもある。ペンネームを考えるにあたって、いちど高名な易学の先生に命名をおねがいした。だが決めていただいた名前を拝見した瞬間、絶句! 「先生、その名前だけはどうかごかんべんを……」と拝み倒して撤回していただいた。そのとき提示されたペンネームとは?

(タ) 烈 虎井(れっつ・とらい)
(チ) 高松黄虎(たかまつ・きとら)
(ツ) 虎祭大吉(とらまつり・だいきち)
(テ) 虎尾踏之介(とらのお・ふみのすけ)
(ト) 虎ノ門達也(とらのもん・たつや)



【解説】

このエピソードは、いちど『正しい会社の辞め方教えます』で書いたことがある。そのことを、ちゃんとごぞんじだった方がおられたのにはびっくりした。

読者、おそるべし!

パッと見には「虎ノ門達也」が、これだけ目立ってまともそうではある。実際、この答えがいちばん多かった。

しかし、もしもこれが正解なら、選択肢を「大門達也/雷門達也/虎ノ門達也/羅生門達也/凱旋門達也」のようにしてカムフラージュしただろう。

正解はもっとすごいのだ。



ペンネーム命名をおねがいしたのは、易の世界では大物中の大物、当時の日本占術協会副会長の大熊茅楊先生だ。

大熊先生はニッポン放送時代から吉村のことを非常に可愛がってくださって「吉村さん、あんたカラオケぐらい歌えないとダメよ」と、しぶる吉村を強引にカラオケバーに連れていって東京ロマンチカあたりのナンバーをデュエットしたり、鶯谷(うぐいすだに)の社交ダンスクラブで強引に老・女性ダンサーと組んで踊らせたりと、いろいろな体験をさせてくださった。

心の広い大熊先生だからこそ、「それだけはゴメンナサイ」と伏しておわびして、易で見立ててくださったペンネームを拒んだ吉村を、笑って受け容れてくださったが、こちらにも甘えがあったのは事実だ。いま思えば大変な失礼をしたものだと冷や汗が出る。



とはいえ、この名前を見たときの私の気持ちをお察しください。

『Kの悲劇/虎尾踏之介・著』

200冊記念の作品も、このペンネームだと、突然時代劇になる。

『蛍坂/虎尾踏之介・著』

カタカナの作品と組み合わせると、もはやどんな中身なのか見当もつかない。

『ケータイ/虎尾踏之介・著』



こうしてみると「虎尾踏之介(とらのお・ふみのすけ)」とは、ものすごい磁力を持ったペンネームだということがわかる。どんな題名を持ってきても、著者名が放つオーラに、題名が負けてしまうのである。

そういう点では、さすが大熊茅楊先生だと思う。



命名をおねがいをしたのは出版前年の1985年。いうまでもなく阪神タイガースがひさびさのセ・リーグ優勝を果たした年だ。でも、おそらく「虎」がついた理由は、『Kの悲劇』が出版される1986年が寅年であったからだろう。

なお、『正しい会社の辞め方教えます』で紹介したエピソードでは「虎ノ尾踏之介」というふうに「ノ」が入っているが、改めて記憶をひっくり返すと「ノ」はナシだったという気がしてきたので、「虎尾」で出題した。

「とらのお・ふみのすけ」と命名されたときのインパクトは、「ノ」の有無を気にするどころではなかったのかもしれない。



【正解】 (テ) 虎尾踏之介(とらのお・ふみのすけ)
正解率24% 難易度 同率1位

★★★★★★
【ここまでの正解リスト】
①イまたはア ②コ ③ソ ④テ


今回の検定問題で、同率で3題ある難易度一位のひとつ。この問題だけでいうと、正解者わずかに11名。

だが、ほんとうのヤマは、もう少しあとにくるのだ。