2011年5月22日日曜日

正解と解説 第2問

「吉村達也検定」正解の発表と解説、第2問です。

【問題】

②31歳のときに吉村達也はニッポン放送から系列の扶桑社へ出向となり、タレント本の部署で編集者及び編集長を務めた。そのときタレントさんの写真集制作で、多いときには一年の三分の一を海外ロケに出かけていた。さて、下記の中で吉村達也がロケに参加していない作品がひとつだけある。それはどれ?

(カ) 斉藤由貴「風のめざめ」@香港
(キ) 国生さゆり「EAGLE」@アメリカ横断
(ク) クラッシュギャルズ「女子プロレスまいったかコノヤローッ!!」@メキシコ
(ケ) うしろゆびさされ組「南回帰線」@リオのカーニバル
(コ) 松田聖子「five seasons」@オーストラリア



【解説】

斉藤由貴写真集は、とにかく高温多湿の香港ロケで、それこそ下着まで汗ぐっしょりとなった。実際に現場で指揮をとったのは天才マルチプランナーで、当時チェッカーズのコンセプト・プロデューサーとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった秋山道男氏。カメラマンは若き日の斉藤清貴氏(斉藤由貴と一字違いだ)。そのときのアシスタントが、いまや有名カメラマンの細野晋司氏。

吉村は秋山さんが日本からきてすぐ行動に移れるよう、前乗りしてのロケハン担当。香港人スタッフといっしょに大嶼山(ランタオ島)にフェリーで渡ったときは野犬に襲われそうになって、別の意味で大汗をかいた。



国生さゆりのアメリカ横断ロケは、ほんとうに楽しかった。ニューヨークをスタートして、フロリダ半島の真っ青な海に突き出したキーウェストの突端へ。そこからこんどはジャズの街ニューオーリンズへ。

たしかここで秋元康氏が、ピンポイントで合流したと思う。そこまでは飛行機移動だが、あとはずっと大型キャンピングカーで大陸横断3週間。一社員がこんなに長く海外ロケに出られるなんて夢のようだった。

ところで国生さんは免許取り立てで、なんと初めてのバイク路上運転が早朝のマンハッタン高層ビル街。こんなライダーデビューをした人もいないだろう。夜明け直後で交通量の少ない時間帯を狙っての撮影だが、スタッフ全員、ハラハラだった。

要所要所では彼女にハンドルを握ってもらったが、都市間の長距離移動のときは、専属のライダーがキャンピングカーといっしょに走ってバイクを運ぶことになった。このバイク・ポーターをおねがいしたのが、当時女子プロレスの本をいっしょに作っていて、軍事イラストレーターとして天下一品の定評を持つ大沢郁甫氏。

吉村は写真集チームのチーフで、カメラマンが渡辺達生氏。そしてビデオチームの監督が、のちに「二十世紀少年」や「TRICK」などで大ヒットメーカーとなる堤幸彦氏だった。このときから「堤さんって、すごいな」と思っていた。



クラッシュギャルズ「女子プロレス まいったかコノヤローッ!!」は、ムックの形で4冊出したシリーズの3冊目。とにかく空前の女子プロレスブームで、出すたびにバンバン売れたので4冊までいった。

このシリーズは、前述の大沢氏といっしょに作った。このとき大沢氏には国内でのリングサイドカメラマンをおねがいし、シリーズ1冊目『女子プロレススペシャル―好きだぜコノヤローッ!!』では、なんと一眼レフを二台横に連結した大沢氏手製の3Dカメラで試合を撮影。綴じ込み付録に赤と青のセロファンをはったメガネ付き。完全に時代を先取りした3Dのカラーグラビアである!

吉村もサブのリングサイドカメラマンとして何試合か撮り、自身で撮った写真も大沢氏のメガネにかなったショットが使われている。白いワイシャツにダンプ松本?の血が飛んできたこともある。

巻末のスタッフクレジットは「女子プロレスの本だから、全員女の名前になろう」と吉村が提案。大沢郁甫氏は「大沢いくえ」、吉村達也は「吉村たつよ」として名前をつらねた。とにかく面白がりながら本を作った。ほんとうに楽しい日々だった。

2005年4月13日のホームページで、NYからメキシコに移住されたKAOMIさんからいただいたファンメールへのレスで「クラッシュギャルズのメキシコ巡業に、女子プロレス雑誌の編集長兼リングサイドカメラマンとしていっしょに回ったんです。ルチャ・リブレもだいぶ見ました」と書いている。



うしろゆびさされ組「南回帰線」は、爆発的な社会現象となったおニャン子クラブの中で組まれた二人組ユニット。高井麻巳子と「ゆうゆ」こと岩井由紀子。高井麻巳子さんは、いわずとしれた現・秋元康氏夫人である。そんな気配に、当時はまったく気づかず(笑)。撮影は、やはり斉藤清貴氏。

リオのカーニバルのオープンパレードに、ゆうゆと麻巳子も正式な出演者として参加し、それを撮影する斉藤氏、アシスタントの細野氏、そして吉村も仮装して、パレードのど真ん中に入り込める特別IDを首からさげての撮影となった。

吉村はガラベイヤのような衣裳でアラブの王子に扮した。カメラマンも雰囲気を壊さないように仮装しなければならなかったのだ。



吉村が松田聖子さんの海外ロケに参加したのは「five seasons」@オーストラリアではなく、彼女がサンミュージックからの独立騒動の渦中に行なった写真集「No Comment!」のニューヨークロケのほう。

当時のマネージャーから「絶対にマスコミにロケ場所を知られたくないから万全の秘匿措置を」といわれ、会社のホワイトボードにおける吉村編集長の行き先はNYではなく「ロサンゼルス」になっていた。

このNYロケでは、いろいろな意味で写真家・篠山紀信氏のすごさをまのあたりにすることになった。とくに人間的なゆとり。やっぱりこの人は世界のシノヤマだと思った。

篠山さんといっしょにヘリに乗って、マンハッタンの空撮もやった。自由の女神を間近に空から見たり。そういえばワールドトレードセンターにも行ったのだった。その模様は光文社文庫版『シンデレラの五重殺』にカラーで載せてある。そこに、オーストラリアロケには参加していないことも書いてある。



【正解】  (コ) 松田聖子「five seasons」@オーストラリア
※正解率43% 難易度5位

★★★★★★【ここまでの正解リスト】①イまたはア ②コ

☆②での転倒者が意外に多く(斉藤由貴の答え多し)、早くも両題正解者は46名中12名までに減りました。