2011年5月10日火曜日

「フェイス/オフ」のインパクト

アクション系映画のマイベスト5を挙げるなら、絶対五本の指に入るのがニコラス・ケイジとジョン・トラボルタ主演、ジョン・ウー監督の「フェイス/オフ」だが、ここで述べるのは映画のことではない。

産経新聞でたったいまUPされた、顔面完全入れ替え手術のこと。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110510/bdy11051011400002-n1.htm





以前も、女性が大規模な顔面修復を行なったニュースがあったが、こんどはついに他人の顔面を完全に移植する技術がSFの世界ではなく、現実の話になった。

そのことも驚きだが、こういうニュースを聞くと、日本だったらどうなるだろうと、つい考えてしまう。



日本の医療技術は世界に誇れるレベルだから、やろうと思って技術的に不可能ではないと思う。だが、その前に必ず「倫理的な問題」として議論が沸騰するのは間違いない。

そのときに優先されるのは「論じる人間の倫理観」であって、当事者の苦しみはいつも置き去りだ。これまでの臓器移植の経緯がそうだったし、いまだに移植実現のために大金を投じて海外に行かねばならない人が大勢いる。

おそらく日本の医学界だったら、顔を失った人の苦しみはそっちのけで、「他人の顔」を倫理的に認めるかどうかというところから「会議」がはじまるだろう。当事者よりも、まず自分が「道徳的な人」であることを主張したいために。



もうひとつ。今回のケースのように、手術を受けた本人が顔面を失ったときの写真を公開し、さらにサングラスをかけているとはいえ、術後の顔出し会見をやるような土壌は、日本にはないということ。

まして、娘さんが新しい父親の顔を見て「パパ、ハンサム」というなんて。



自虐論に陥りたくはないが、ぼくたちの国民性には、なにかとっても人間的なものが欠けている気がして仕方がない。