2011年5月10日火曜日

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1986)

本日のおすすめ映画は「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」@1986年。

人間を食べる植物が主役でありながら、アーリー60'Sのリズムに乗って、歌って踊って笑える、ちょーノリのいいホラー・ミュージカル映画。

なにかと重苦しい昨今の世の中、ストレスを吹き飛ばすにはもってこいの映画。





本作のプロデューサーのひとりに、ティム・バートンと組んで「ビートルジュース」を製作したデヴィッド・ゲフィンがいるので、パッケージデザインからみても、その手のタッチかと思われるかもしれないが、コメディ・ホラーにありがちな、「いかにも」という異様な風体のキャラはひとりも出てこないのがいい。

この作品はリメイクのリメイクである。おおもとは1960年に撮られた同名の白黒映画。

別の映画の撮影終了後、そのセットをそのまま使っていいと許可が出たので、実質2日で撮った「超お手軽コメディホラー」で、サドの歯医者に対するマゾの患者役を、22,3歳のころのジャック・ニコルソンが演じている(これを彼のデビュー作と紹介しているサイトもあるが、そうではない)。

このオリジナル版はまったく評判を呼ばなかったが、それをデヴィッド・ゲフィンがブロードウェイでミュージカル化したところ大当たり。

当たるわけだ。音楽がめちゃいい。しかも「食人植物」が、生き血が吸いたい、ナマの人間を食いたいと60'sソウルのノリで歌うから、これは独創性において出色だ。

そのミュージカルを映画化したのが、1986年版の「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」。



主役のリック・モラニス(「ゴーストバスターズ」)とエレン・グリーンのキャラも抜群だが、なんといってもスティーブ・マーチン演じるサドの歯医者が最高だ。

革ジャンに身を包み、バイクにまたがったロックンローラーという出で立ちで病院に出勤(このあたりは若き日の安岡力也って感じだ)。革ジャンを脱いで白衣になると、患者に麻酔をかけないで、自分が麻酔ガスを吸ってハイになりながら、ドリルを回し、ペンチで歯を引っこ抜くというサド歯科医。

それに負けじと、痛くされればされるほど、「もっと、もっと痛くして」とせがむ、オリジナルでジャック・ニコルソンが演じたマゾの患者は、こっちでは「ゴーストバスターズ」つながりでビル・マーレイが演じている。

そして、まだ本格的CGなき時代の「最新SFX技術」を駆使して、踊って歌う食人植物も見ものだ。とくに唇の動きは秀逸。



だけど、この映画でのいちばんのヒットは、狂言廻し役として、ポイントポイントで出てくる三人の黒人コーラスガールだろう。「ドリームガールズ」のような主役的扱いではないが、じつは本映画の陰の主役かもしれない。

映画だからこそできた、家族で楽しめる爆笑ホラー。小説では、なかなか難しい分野だ。挑戦してみたいけど。