2011年4月18日月曜日

圧巻! 桜の海

吉野山を「白の帝王」と呼ぶなら、こちらは「ピンクの女王」というべきか。

紅枝垂れ桜による圧倒的なピンクのシャワーは、密度において日本一であろう。

その名を「原谷苑」(はらだにえん)という。個人農園の敷地だ。



ここは金閣寺の背後に控える北山の一角にあり、マイカーで行こうとしても、駐車場は一切ない。道が狭すぎて大型観光バスは入れない。シャトルバスはあるが本数は少なく、大半の客はタクシーを利用する。脚に自信がある人は、金閣寺または仁和寺から、徒歩で上り坂を延々2km以上歩くことになる。

そんなロケーションなので、ネット情報が飛び交うまでは、穴場中の穴場だった。

なにしろ昭和30年代までは、農園関係者の身内だけでこの絶景を楽しんでいたのだという。一般公開をしても、なお、おおっぴらに宣伝をしないうえにアクセスが不便なので、この存在を知らないまま桜時期の京都を去っていく観光客は少なくない。



ここは入園料の高さでも、おそらく日本一の桜の園である。

満開期の土日で大人1名1500円、平日で上限1200円。

タクシーの運転手さんによれば、2000円とっていた時期もあったとか。なにも知らずに大家族で行ったら、入場券売り場でお父さんは目を回すかもしれない。



だが、その高額な入園料に驚く必要はない。じつは入園料は桜の咲き具合に連動して上下するという、全国にも例を見ない形式をとっているのだ。

最初に書いたのは満開期の値段で、これが上限だが、七分咲き、五分咲き、咲きはじめという段階にしたがって安くなっていく。いちばん安いときは300円だ。安いが、目当ての桜は咲いていない。

逆にいえば、この入園料が「見ごろの保証」になっているわけで、高い時期に行かないと意味がないようになっている。言葉を換えれば、入園料が高い時期に、期待はずれはないわけだ。

紅枝垂れだけでなく、天龍寺百花苑にもある源平枝垂れ桃も紅白に咲き誇り、さらには三つ葉躑躅の紫、木瓜の赤、山吹の黄色などなど、色彩のアクセントが素晴らしい。

きょうは満開期の平日で1200円だったが、園内を訪れた人々が口々に言っていた。

「これなら1200円は、たこーない」

「じゅうぶん元とらせてもろたわ~」

私もそう思う。