2011年3月26日土曜日

最初から電気のない宿

ランプの秘湯、青荷温泉。冷蔵庫などに使う一部の業務用自家発電を除き、ここには電気はまったくきていない。

演出上の「ランプの宿」ではなく、ほんとうにランプ以外の明かりはないし、電気もない。電話は公衆電話が一本あるが、携帯は圏外。テレビもない。

東北地方を襲った大震災の前も後も、宿に灯る明かりの量がまったく変わらない希有な例といえよう。


でも、その昔はこれがあたりまえの光景だったのだ。

いや、これだけたくさんのランプの明かりが集まるのも、昔でさえなかっただろう。現代の青荷温泉でさえ、これは夕食どきだけの特例で、部屋に戻ればたった一個のランプがぼんやりと灯るだけ。

電気のありがたみを知るためにも、電気のない暮らしを体感するためにも、子どもたちをこういう宿につれていくことは、いい勉強になるかもしれない。もちろん、大人にとっても。

(撮影は『青荷温泉殺人事件』の取材で訪れた2年前)