2011年3月19日土曜日

一通のメール

昨日(3月18日)朝、PHPの根本さんからメールがきた。【『Dの変身』いい出足です】というタイトルだった。意外なことでびっくりした。

じつは17日の朝まで、『Dの変身』がこの日に発売されることを忘れていた。東北大震災で執筆も滞り、原発危機と首都圏の計画停電がそれに輪をかけて、たぶん作家歴21年ではじめて自分の本の発売が、頭から完全に消え去っていた。


新刊のおしらせどころではないと、すでに旧ホームページのTOP画面からも、カバー画像を消していた。発売日であることを思い出し、ようやくひっそりと本文末に「発売しました」告知を出した。震災・原発・電力危機のトリプルパンチで、エンターテインメント小説などを書店で買い求める雰囲気ではないから、極端なことをいえば、売り上げゼロでも、それは仕方ないことだと思っていた。

そんなときにもらった担当編集者氏からのメールなので、ほんとうに驚いた。さらに、ファンの方からもGETメールをいただいた。

こういう時期に小説を求めている方々がいらっしゃるのだと知って、それが自分の作品だからどうこうではなく、少し勇気づけられた気がした。

こういう時期でも締切はある。筆を放り投げるわけにはいかない。また作品に、筋とは無関係な暗い影を落とすわけにもいかない。

そう思って、またキーボードを叩きはじめる。テレビのない部屋にこもって。